チョコレートバイヤーはどうやって出張先を決めてる?
チョコ旅についてのお話です。
私は最近は通常1回出張に行くと3週間帰ってきません。
関係者とのスケジュールと土日が移動くらいしか出来ないので、どうしてもそうなるのです。行くのはゴールデンウィークくらい。向こうが忙しいイースターと、夏休みのことしか考えてない6月以降を避けています。夏休みの前にやるべきことやってほしいし。
このタイミングがベストなんです。
まず、どうやって国を決めるか。
これは数年かかってます。
フランス・パリやベルギー・ブリュッセルなど、いわゆる都会にはもうそんなに私の仕事はないと思っています。そのチョコは日本で手に入ります。
日本ほど世界のモノが簡単に手に入る国はないです。
チョコだけでなく、雑貨やファッションも。手前味噌ですが、日本のバイヤーは世界一だと思います。お土産を現地で買うよりも、日本でその国のものを買った方が、安くていいものが手に入る。日本のバイヤーはすごい!
私も含めていいですよね?!無理やり私もそこに入るっ。だって、こんなローカルなチョコ、一体誰が買うの?というところまで探しに行ってますから。
日本のバイヤーがすごいという自画自賛はさておき。
そうそう、どうやって行く国を決めるかでした。
数年かかるってどうしてか?と言うと、今、世界的にショコラティエとして起業する人がめちゃくちゃ増えています。
ですので、沸き出るようにいます。
それも、素晴らしいショコラティエがチョコレート後進国に多いのです。でも特集となるとひとりと言うわけには行かないので、そういう素晴らしい人がいると聞いてから、そういう人がその国で数人になるまで待っています。
一回行くともう二度と行かないくらいの覚悟なので、その国のチョコの成長を見誤ったら、せっかく取材に行ったのに、もうその国のチョコは扱っていないということになります。正直言ってそういうことになってしまった出張もあります。
なんかバイヤーらしい話ですね。
そういう意味で、日本人に人気の北欧は私の中でじっくり待ちに待った国です。
そして、充分特集に値するショコラティエがいっぱい育っていました。
とにかくチョコレート作ってます、ではなく、もう物心がついた大人のショコラティエでした。
これは2年前だとまだだったと思います。
今年。ちょうどいいタイミングだと思います。
まさに満を持してです。
そういう風にして選んだのはフランスの南西部。どこなん?それ?というまったく日本人にはなじみのない地域の村。
そして、「チョコあるの?」と思われているクロアチアとスロベニア。
満を持しての北欧フィンランド、ノルウェー、スウェーデンです。
どこも素晴らしいショコラティエがいました。
ローカルチョコという名にふさわしい。誰も知らないおいしさ。
日本のバイヤーはすごい!
もう一回蒸し返してなんなんですが。すごいでしょ!
いや。
よく考えてみたら、違うな。
なんでここまでするかと言うと。
ここまでのモノが食べたいという人がいるから私が行くわけで。
やっぱり一番すごいのはお客さまのチョコへの飽くなき好奇心でした。
そうです。
私たちバイヤーはみなさまの「食べたい!」に応えたくて、日々世界の隅々までチョコを探しに行くのでした。
今年もたくさんのチョコレートを探してきました、ご主人さま。
ぜひ、これから。一個一個話を聞いてやってください。
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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