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フランスのチョコレート

2019.07.30

アニエス&ピエールのハートなチョコの話

フランスのチョコはレベルが高いです。

パリならばともかく。こんな地方でもそのレベルの高さに驚かされます。フランスがチョコ界の王座に君臨するのはこの層の厚さだと思うのです。もちろん新しい国のチョコレートも素晴らしいですが、全体としてのレベルの高さはやっぱりチョコ文化の歴史に裏付けられているからだと思います。いいチョコを食べる習慣がないとショコラティエのレベルも上がりません。お客さまあってのショコラティエだと思うのです。そういう意味ではこの「幸福(しあわせ)のチョコレート」がマニアックなレアチョコをここまで集めているのはお客さまがマニアックだからなんです。

みなさまのチョコへの好奇心によって作られた「幸福のチョコレート」です。

チョコ出張では地方のフランスでもいろいろなところに行ってます。レンヌ、ナント、ストラスブール、バスク、リヨン、プロバンス……

さてここはどこ?

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南西部のロデーズという街のお店です。

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「AP」は「アニエス&ピエール」の頭文字。小さなお店なんですが、そのレベルの高さにびっくり。
アトリエではたくさんの種類のチョコレートが、あるわ。あるわ。

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二人の若いカップルが出てきました。

女性はアニエス、チョコとデザインを担当しています。

男性はピエール。チョコを作っています。同じお菓子の学校で学んだとか。そうですか。まんまアニエス&ピエールさんですか。

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アトリエに入ったとき、最近時々見るある高級なマシーンを見せられたのでした。

知ってますよ。この機械。

レーザーのようにどんな絵も細かく切れるという機械で、お誕生日の似顔絵のチョコなんかも絵さえあれば作れてしまうという業界の新兵器です。

高価ゆえにこのクラスの規模のショコラティエではあまり持っていないので、奮発したなと思っていました。でも、誕生日ケーキとかのカスタマイズ用なので、それは「幸福のチョコレート」では関係ないとスルーしていました。

さ、私のお仕事、お仕事。

ここはありとあらゆるチョコがユニークでした。

気になったのはスパイスやハーブの使い方がいい! 非常にチョコとマッチしていて控えめであって物語性のある、イメージが膨らむような広がりのある味わい。

単純ではありません!

いやー、素晴らしいね。フランスチョコって。

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その物語を感じさせる味わいの中でも素晴らしかったのは、「私の庭」という名まえのチョコ。ローズマリーの香りがフレッシュで、もうフランスのお庭でティータイムをしているようなしあわせな味。

あと「エレーヌ」も面白かった。

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なんと、いとこの名まえなんです。コリアンダーとアーモンドのハーモニーがいとこのエレーヌのお気に入りなんですって。

会ったことないですよ、エレーヌに。でも、エレーヌがそこにいる気がする。エレーヌー。久しぶりーーー。フランス語もしゃべれないけど、もうめっちゃ友だちな気がする。

そのほかにも小さなパヴェ(石畳)のチョコなど、どれもこれもテンション上がっちゃう。

そんな、味からイマジネーションを掻き立てられながら、ばっくばっく、ばっくばっく食べていると。

「ちょっと待って! そんないっぱい食べないで! サプライズがあるから!」

ええー。そんなん言われたの初めて。

実は私が来るということで、日本のみなさまに向けてオリジナルのチョコを作って待っていてくれたのでした。

パッパラーーーーーン!

キャー、かわいい。

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ハートのチョコ。そして、これはギモーヴチョコなのです。

日本人向けに甘すぎない味わい。そして、このピンクの色もビーツから出来ているので、ナチュラルカラーだと。

テンション上がるー。

しかし、私はただのスイーツ女子ではないのです。チョコレートバイヤー歴22年の大ベテラン。この仕事始めたとき生まれた子がもう社会人になって入社してくるくらい、この仕事をやっているいぶし銀のチョコバイヤーなのです。

いぶし銀の割に表現に深みがないという自覚はあるのですが、正真正銘、私はチョコレートバイヤー歴20年以上なのでした。

なので、チョコレートからいろいろなことが分かるのです。

「みなまで言うな」。

分かった。もう説明は不要。

このセンターはギモーヴ、つまりマシュマロみたいなものです。マシュマロチョコは数々あれど、大体形は”まる”です。

そりゃそうでしょ。マシュマロ切れますか???

ぷにょぷにょですよ。

それなのにこのシャープな形。

あれか……

あれやな……

そうです、初めに見せられたあのチョー高級なカッティングマシーンによってこの形はカットして作られているのです。こういう風にも使えるんだ、あの機械は。

「さっきの機械で切ったんでしょう?」

「そうです、確かに高かったけど。こうやってオリジナリティが出せるので、買って後悔はしていません。」

なるほどーーー。

創造する力と今のハイテクを合わせると、こんな風に表現の幅は広がるのですね。

チョコは進化しています。

それも日々。

それをずっと感じることが出来た、チョコレートバイヤー冥利に尽きる体験でした。

その進化、あなたがぜひご自身で体験してくださいね!



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チョコレートバイヤーみり

フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!

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