ザ ミニストリー オブ チョコレート、人が作るということを教えてくれたショコラティエ
メルボルンで最後に訪れたショコラティエです。
私は一度行くとなかなか同じ街に行くことはないんです。
よっぽど途中に通るとかでないと行きません。どちらかと言うと新しいショコラティエに取材に行くのです。
ですので、ここも「メルボルンにまた今度来ることがあるだろうか」と思って訪れた最後のショコラティエでした。
ある意味ここが最後でよかった。「ザ ミニストリー オブ チョコレート」さん。
場所はメルボルンの中心から外れた住宅街です。
看板を見る限り、まさにローカル。お世辞にもスタイリッシュとは言いがたいです。
地元の人のためのチョコレート屋さんです。
ここでこんなにステキな出会いがあろうとは。
ここはオーストラリアのカカオを使ったチョコレートを作っていると聞いて来ました。
中から出てきたのは穏やかそうなドゥルーさん。
イングランドから来たそうです。
すべてお店の奥のアトリエでハンドメイドで作っているそうです。
5年前にオーストラリアのカカオを栽培するダインツリーに出会った。そして、自分もオーストラリアのカカオを広めたいと思ったそうです。
彼は言ってました。
「オーストラリアはカカオの栽培からチョコレートのラストまで作れる珍しい国」と。
ほんまやーーー。
この方、言葉数は少ないのですが、ものすごくシンプルに思いが伝わります。メルボルンの真ん中にあるわけではないこのお店、観光客は絶対来ない。
すみませんが、この小さなお店で使うカカオの量は多いとは言えないと思う。ひょっとしたら手間がかかるかも知れない。
近所の人がカカオの豆の話までおそらく誰もしないと思う。そして、希少価値の高いオーストラリアのカカオはおそらく高かったでしょ。
それでも、パッションでオーストラリア産のカカオを使っているのです。
5年も前からずっと、誰にアピールするでもなく、今まで自分の人生のスタイルとしてオーストラリアを大事にしてらっしゃいます。
この方、ほんまにいい人です。
自分がすごいとはおっしゃいません。ずっと笑ってらっしゃいました。
こういうローカルチョコをみなさまにご紹介できてしあわせだと思う。
何もきらびやかさもないけれど、思いが詰まったチョコレート。
人が作るチョコレートとはこういうことです。
アボリジニのデザインのガナッシュでお届け予定です。
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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