意識高い系チョコ!ナンバーワンを発見!レシオです。
今回メルボルンで実は一番紹介したいのはこの「レシオ」さんです。
チョコレートバイヤーとしてこんな素晴らしいショコラティエに会えてとてもしあわせです。この店はできて5ヵ月しか経っていません。え?5ヵ月?大丈夫?とまったく期待してなかったのです。ごめんなさい。
まず、夕方4時か5時に閉まるオーストラリアで、夜でも開いてるというのに驚きました。まだ、始めて少しだからとにかく頑張らないとお客さん来ないのかな?
だいぶ夜が遅かったのでタクシーで行くと、地元の商店街的な場所で、えーここにショコラティエあるの?と思ったのです。まさかこんな出会いがあるとは、その時は思いませんでした。取材に来ていたNHKさんも移動の事情で取材に来られなかったのですが、まあ、そんなにすごいことがあると思わなくて。このお店を撮ってほしかった。
到着するととっても大きなお店に驚きました。ここだけクールな感じ。非常にすっきりとしたクールな建物が下町に突如現れた感じです。ガラス張りで外からもカカオの焙煎の機械も見え、すぐにカカオ豆からチョコレートを作る、ビーン トゥ バーのお店だと分かりました。意識高い系チョコレートだ!
お兄さんがとても有名なコーヒーショップを経営していて、その妹、デビーさんのお店です。コーヒーとチョコのコラボです。
彼女はもともと動物学者で、ケニアで活躍していました。その後ビジネスを勉強して5ヵ月前にこの店をオープンしました。とても気さくでフレンドリーでこんな女性になりたいと思うようなとても生き生きした女性でした。
どうして私がこのチョコレートを紹介したいかというと、日本にはいない、ヨーロッパやアメリカでも見ないタイプのショコラティエだったのです。
ショコラティエはいろいろな職業から転職する方が多く、特にエンジニアとか銀行員からの転職組がよくいらっしゃいます。いろいろな職業を経験して、世界を旅して最終的にショコラティエになるという人をよく見ます。
彼女もそういうタイプなんですけれども。彼女は動物学者で、とても環境を大事にする職業だったのです。
彼女自身もヴィーガンと聞いて、これぞオーストラリア・メルボルンのショコラティエだと思いました。市場で人気があるので、ヴィーガンチョコレートを作るショコラティエはいっぱいいますが、本人がヴィーガンというのは初めて会いました。
彼女はコーヒーすら飲みません。とてもストイックな食生活だと思いました。肉も魚も牛乳も蜂蜜さえ食べない暮らし。私には到底真似ができません。
環境にも優しくて動物にも優しい。そして突然来た日本人バイヤーの私にもとっても優しいショコラティエ。いるんだ、こんな清らかな人が。と思いますが、人に押し付けるでもなく、彼女の生き方としてそれを選んでいるのです。意志のある女性です。
チョコレートの商談の間に「環境」「無農薬」「動物」「植物」そんな意識高い系なワードがどれだけ出てくるか。オーストラリア全体の特徴だと思いますが、彼女が一番はっきりと主張されてました。美しいです。
しかし問題がありました。彼女はとても素材にこだわっています。そしてカカオ豆にもこだわっています。だからとても賞味期限が短かったのです。
彼女は自分でカカオの焙煎もするし、豆のピッキングもします。そのすべての工程をガラス張りですっきりと、こんなに美しく見られるお店を、私はほかに見たことがない。芸術空間です。
そのくらいスタイリッシュな空間でした。
さぁ賞味期限が短いと輸入ができないのでどうしよう? と思ったところに、すごいチョコレートが出てきました。まずはこのチョコレートのデザイン。
美しい! これは黄金比ですね! チョコのバランスも表現しているこのチョコの形! かっこよすぎるー。そう言えば、店名の「Ratio」は「比率」という意味ですよね。
これだけたくさんチョコレートを見ている私でもこれは初めてです。光り輝くものが板チョコの中に入っています。
ビーン トゥ バーのカカオはソロモン産。その中に塩キャラメルのフレークですって。人気の塩キャラメルをこんな風に作るとは!
なんだこのオリジナリティは? 味も最高!
見つけた! これぞ。宝物チョコレート!!!
レシオ 塩キャラメルタブレット
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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