2017年 締めくくりはネネットです。
2017年もお世話になりました。
私はバレンタイン暦で生きていますので、お正月はそんなに節目ではないのですが。
世間の空気に押されて私も今年を振り返ってみると。
やっぱり、今年はテレビで私の地味なお仕事を取り上げてくださり。
お陰でたくさんの新しいお客様に出会えることが出来ました。
「はじめまして」をたくさん言えた一年でした。
最後にご紹介するのはそのテレビ放送でも話題になった「ネネット」です。
私はこの道20年ですが、この仕事がスタートしたときにはチョコレートブームではなかった。ネットもなければ、雑誌でチョコを見ることもまずなかったです。この20年、チョコレートがどんどんスターになり変わっていくのをきっと渦の中から見てきたんだと思います。いまや、有名なチョコや優秀なチョコは日本では手に入ります。
だったら、先を走ってきた者として、このチョコレートのシーズンは世界で手に入らない、世界の地元の人だけに愛される無名のチョコレートを日本のみなさまに紹介することを、私のチョコレートバイヤースタイルにしました。
食品を輸入するのには大きな困難と負荷がありますので、それをしてまで届ける意味のあるもの。それはローカルチョコだと思っているんです。
行ったことがない国の地元の人しか食べられない味。これこそが本当の輸入の贅沢、役割に思えたからです。私たちが大好きなチョコでローカルな人とつながる国際交流です。
毎年、たくさんのそんな仕事をしていますが、私にはそれが普通だったのです。
今回訪れた、ネネットもまさにそんなショコラティエ。
アポはとれていますが、断られていました。テレビのスタッフさんにもここは断られています。ということをお伝えしてました。
断る理由は簡単です、お店で手一杯で輸出まで無理です。おっしゃるとおり。地元でも人気なお店を探してるんです。お店ってたいへんですよ。みなさんの地元のケーキ屋さんとかと一緒です。一日数十個作って売るだけでもたいへんです。大きな単位で日本向けに作れるわけがない。
実際行ってみて驚きました。なんとヴァンヌの市場の中。お肉屋さんの前にありました。小さなお店でチョコを選ぶお客さまをお母さまと娘さんが接客してます。
声をかける間もないです。
娘さんがショコラティエになりたいと言ったのをデザイナーだったお母さまが後押しする形で二人でつくったお店です。
パッケージのかわいさはお母さんによるものです。
娘さんは希望を持って、日本に送りたいと言ってくれますが、お母さまは頑として止めます。
「私たちは小さいお店だし、ヴァンヌを大事にしてきたお店です」
おかあさま!おっしゃるとおりです。私はそんなチョコを探してるんですもん。だから、そんな話しになって当然です。毎回ですのでわかってます。
だから、私は必ず、「無理しないでください」と言います。
もし、お互いタイミングが合えば一緒にやりたいです。
私はチョコレートを日本用に帰化する気がないのです。ローカルなチョコレートはローカルなままで。幸い、バレンタインは西洋ではそんなに盛り上がらないので、その時期にお互い合えばと思っています。
ほんとはのどから手が出てますが。待ちますよ。何年でも。
お母さまが変わったのは「幸福のチョコレート」のカタログを見たときでした。
「幸福のチョコレート」私が20年つくってきたのはこのカタログです。
その人や町の空気まで伝えたい。チョコレートのキャラクターをちゃんと見極めてぶれることがないショコラティエに自慢に思ってもらえるようなカタログを作っているつもりです。
お母さまはデザイナー。このカタログにかかっている労力やキャリアも充分伝わったのでしょう。
「日本に送ります」と言ってくれました。
今回は発売初日で売り切れてしまいました。
たくさん作ることが出来ないのです。申し訳ないです。
これから先、来年もその次の年も長く付き合っていただけたらありがたいです。
来年はもう少し作れるかも。そんな風にみなさまはチョコでヴァンヌのネネットの親子とつながっているのです。
実は私にはこのチョコのようなローカルチョコレートの物語が日本初上陸させたチョコだけでも200ブランド以上あります!
どのショコラティエも大事で大事で仕方ないです!
「ええ思いしてほしい・・・」
常にお店を出るときその気持ちでいっぱいになっています。
もう一回、見てください!全部見てほしい!
誰かにとっての幸福のチョコレートとなるように2018年もがんばって行きたいと思います!
みなさん、よい年をお迎えください。
ハッピーチョコレート!
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フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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