スイス職人のチョコレート「ホノルド」
スイスに行きました。チューリッヒ郊外のクシュナッツ駅から5分、静かな住宅街にホノルドのアトリエはありました。
スイスチョコと言えばやっぱりこのチョコです!!!!! 職人さんの愛情と気合いの塊のようなチョコです。
『幸福のチョコレート』ではたくさんのスタッフがみんなでチョコを食べてますが、みんながナンバーワンはこれだと言いました。「でしょ! でしょ!」って何回言ったか。
もちろん味でいちばんと言われたんですが、それだけじゃないんです。まず、手に入りません。スイスチョコはほとんどチョコの国際社会に出てきません。あんまりにも耳にしないから、スイスでは小さな個人店はないのかと思ってました。
スイスはとにかく物価が高いっ。ファーストフードのバリューセットで1000円以上します。スイス国内で充分に販売できるので、大手以外はあえて国外には出ようとしません。だから、このクラスのスイスのチョコをご紹介できるまでに、10年近くかかりました。
このチョコに出会うために10年間バイヤー続けてきたのかも。
パティシエのイヴァンさんにお会いした時に、こんなことをおっしゃっていました。「フランスやベルギーのチョコはビジネスのチョコです。スイスチョコは伝統と技術のチョコです。ヨーロッパは今景気がよくないと言われていますが、私たちスイスのショコラティエは、不景気を感じたことはない」。かっこいいーーーー。やっと出会えた。これぞスイスの職人チョコです!
それだけじゃありません。『幸福のチョコレート』のスイスチョコの中でもこのチョコ「ホノルド ロティ―ベスト」が間違いなくナンバーワンなんですが、そのストーリーも素晴らしいのです。アトリエはとても管理された空間でまだ木製の機械も置いてあるような、ある意味スイスの時計職人の工房のようなイメージのアトリエでした。すべてにおいてスイスの伝統を大事にしているのがわかりました。
そこで素晴らしいチョコがひとつひとつできていたんです。ずらりと並んだチョコはどれも感動的なおいしさでした。
その箱の列の中に、チョコの名前ではなく、人の写真が名前の代わりに貼ってあるチョコを見つけました。
一瞬、あれ? なんかおちゃめだ。と何かのジョークだと思ったんです。でも、その理由を聞いてじーんとしました。
大好きなおばさんの写真だそうです。この方が前のオーナーさんで、その亡くなられたおばさんのイメージで作ったチョコだそうです。 ショコラティエにしかできない追悼方法だと思いませんか。いい話だと思いました。一口食べて……。うなりました……。
一粒の仕事量が半端ないっ!
さくさくするように中身に空気の層を何層も作り、さらに薄いチョコで数回カバーしてるんです。ナッツ系ですが、後味はスパイスが効いていて大人の味わいです。すっすごい……。歯ごたえ、味のハーモニー、一粒でここまでのことができるんだ。
本気や。本気で作ったチョコや……。プロによる素晴らしい愛情と気合いの表現をチョコから感じることができたのでした。こんなチョコに出会えてこの仕事しててよかった。
ぜひ、みなさまにも味わっていただきたい。感動できるチョコレート、イチオシチョコです!
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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