なぜ今日本の和チョコ?~Dari K(ダリケー)吉野慶一さんに聞きました①
私、チョコレートバイヤーみりは、『幸福のチョコレート』というブランドで、世界中から地元愛あふれるチョコレートを紹介し続けています。そんな私が今、満を持して紹介したいのが「和チョコ」!
今日本のショコラティエは世界中から注目を集めています。それは、日本ならではの素材遣いや、繊細でレベルの高い製菓技術、そして何よりおもてなしの心と高い志にあふれているから……!
今回、『幸福のチョコレートJapan』編としてご紹介しているショコラティエの1人、「Dari K(ダリケー)」の吉野慶一さんにお話を伺う機会がありましたので、2回に分けてみなさまにご紹介したいと思います。
今から数年前、京都にDari Kさんができた当時、私はまず「スラウェシ島のカカオ!?」と驚きました。実は私が初めてカカオに出会ったのが、インドネシア・スラウェシ島なのです。農業の指導がほぼなかったためか、当時質的に評判がよくない生産地であったインドネシアのカカオ。それをDari Kさんが現地の人を指導し、カカオの質を上げるところから始めて、今ではとっても素晴らしいインドネシアカカオのチョコレートを作られるまでになりました。今回『幸福のチョコレートJapan』編で紹介すべき日本のショコラティエの代表として、真っ先に浮かんだのが「Dari K」さん。チョコレートはそのコンセプトの通り、インドネシアのカカオをそのまま感じられる、言わば”カカオ丸出し”の味わい。そこが真っ向勝負で好きなのです。カカオを農産物として、大地の恵みとして味わう。そういう食べ方もチョコにはあるんだと思います。
Q.まず、今回『幸福のチョコレートJapan』編で紹介している生チョコクリームですが、吉野さんご自身が一番お好きな食べ方とはなんでしょうか?
A.僕はホットチョコですね。ホットチョコとココアって違うものだと僕は思っているんですけど、温めた牛乳に入れて溶かすというよりは、鍋にかけた牛乳に入れて煮詰めると余分な水分が抜けるので本当にとろとろの、濃厚なホットチョコになりまして……。それが一番好きですね。めちゃめちゃおいしいのでおすすめです。
Q.次はカカオニブチョコについてお聞きします。このチョコレート、缶の中には抹茶チョコでくるまれたカカオニブがこれでもか、というくらいにぎっしり入っています。ただ、ひとつの缶の中にものすごーく小さな粒から、大きな粒まで色々なサイズが。一体どうして大きさにばらつきが出るのでしょうか?
A.製造工程として、カカオ豆を焙煎して全部手作業で皮むきをします。ほんとに、一時間に何百グラム剥けるんだろうっていうくらいすごく手間がかかる作業で。手で剥くので豆がまるごと残ることもあるし、火が通っているので結構ポロポロ小さくなってしまうことも。大きな豆は最後フードプロセッサーにかけるんですが、そこもやっぱり均一にはならないんです。でも、それはそれで豆として全部使うっていうコンセプトなので。バラつきもあるんですけど、『手作りだからこそ』ということでそれも楽しんでもらえたらと思います。
Dari K 抹茶カカオニブチョコセット
Q.使っている抹茶にもこだわりが?
A.お茶は、京都の東茶園というところのものです。そもそもDrari Kは一応抹茶トリュフはあるんですけど、今までずっとあえて抹茶売りをしてきませんでした。それは、向こうも相当こだわってやってる茶園なので、お菓子の材料として混ぜモノ的に使うのはあんまり良しと思わなかったからなんです。でも、あのカカオニブチョコだったら……中はカカオそのもので、外は抹茶チョコってお互いの素材を尊重しながら出来る、と思ったんです。
<前編以上>
いやー、みなさん、吉野さんの情熱伝わりましたか?
カカオやそれを作る農家さんを大切にし敬意を払っているからこそ、一緒に商品を作る東茶園さんやそのお茶もDariKの素材と同じように大切にしてるんですね。
まだピンときていない人も安心してください。Dari Kさんのチョコを食べればこのこだわり、絶対に伝わります。
次回はDari Kさんの京都のお店や、ブランドについてお聞きしてきた内容をご紹介します。
お楽しみに!
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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