とことん手づくりで超ハイレベルなチョコ
ようこそいらっしゃいました!ここは素通りしないでいただきたいのです。
バイヤーみりのチョー自慢チョコだからです。私の大発見です。すごいお店を見つけたのです。しかも偶然に発見。グッジョブ!!間違いなく、この発見はチョコの神さまからのプレゼントだと思いました。話がうまくついて、このお店から出るときの私の満面の笑みは間違いなく気味が悪かったと思います。
「もう、今年の仕事すんだ。日本に帰ろう!」とまだ、三分の一のスケジュールを残し、帰ろうかと思ってました。もうわかったから、チョコの説明して、という空気になってきました。すみません。ひとりテンションあがってます。
このショコラノゼットはとても小さなお店です。カウンターもたこ焼き屋さんの屋台の幅くらいです。とてもすっきりシンプルな店内は非常に好感が持てます。お店に入ったら、奥からおじさんが出てきました。このおじさんが作って自分で販売しているのです。たったひとりで。ストラスブールのアルザス地方はどちらかというと焼き菓子文化。チョコの専門店は非常に少ないです。あっても、若手のいまどきなクール系。もちろん、クール系も好きです。でも、クール系はグローバルなセンスなので、その土地の空気感が薄いのも特徴です。このショコラノゼットのように、おじさんの手づくりチョコ専門店っていうあったか系はストラスブールにはないものだと諦めていました。
看板はくるみ割り人形。まさにドイツ国境のにおいがします。そして、入るなり少ない種類ではあるのですが、そのチョコの光沢に驚きました。チョコの技術の高さを測るには、チョコの光沢の話は欠かせません。これはチョコの温度管理で生まれるものです。工場でオートメーションだと、できそうなものですが、個人店では機械に頼りません、自分の感覚で温度を管理しているのです。チョコを見るなり、この方の技術の高さを感じました。
そして、カウンターです。大理石なのです。大理石はチョコの粒子を整えるテンパリングのときにもっともよいと言われています。チョコ職人のこだわりがカウンターにも出てました。
そのチョコの中でも、もっとも光り輝いていたのが、このナッツのレリーフのハートチョコ。このチョコは「私を見てっ。」って言わんばかりにこっち向いてました。お店でほか数点を購入し、外の公園で食べました。思ったとおり。このナッツのカバーのチョコが均等で薄いのです。とろりとナッツが口に香ばしさとともにはじけました。おじさん……あなたはほんものです。あとで、お店に帰り、実は日本から来てあなたのチョコがとっても気に入ったので、紹介したいと伝えたら、おじさんはニコニコ。持っていったカタログを眺め、カメラにも手を振ってくださいました。ええ職人さんに出会えました。
まろやかで甘さ控えめ。いくつも食べれてしまう!!
ショコラノゼット ハート
私の仕事はチョコや職人さんのお仕事ぶりを理解して伝えることです。今年17年目です。このチョコを見つけ、このチョコを日本に紹介できました。誰にもわからないかも知れませんが、こういう仕事ができたことがとてもうれしくて、17年やってこられたと思います。
ほんまもんの職人チョコ。旅でしか見つけられないチョコ。『幸福のチョコレート』しか紹介しないであろうチョコ。それがこの小さな素朴なショコラノゼットです。
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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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