今年イチオシと言ったらこのダンシングライオンを指差します。このクラスのお宝ショコラティエにめぐり会える私は相当ついてます。きっとチョコの神さまがバイヤーみりのローカルチョコの旅を応援してくれてるんだと勝手にチョコの神さまに感謝してます。神さまはガネーシャみたいと想像しています。「そうや、すべてわしのお陰や。」といってることでしょう。そのくらいこのショコラティエは軌跡の発見です。おそらく、世界中にチョコバイヤーがいたとして、あまり同じ職業の人に会ったことがないですが、このショコラティエに行かないと思います。お店が小さくって、場所もなかなか地元の人が行くだけの地味なところです。しかし、私の目指すローカルチョコのある意味理想かも知れません。
　

そこまで言っちゃっていいの？ 私話盛ってない？
って時々落ち込むんですが、ここはそれだけ言う価値があります。自信を持って紹介します。いったい何者なのか？というと。このショコラティエはもともと。学者さんなのです。メキシコ文明の学者さんというので、きっとカカオの発祥とかも調べているのでしょう。今も大学で教えているそうです。その追求がこじれちゃって本気でカカオの道に迷い込んだんですって。どうです。うなされるようにカカオのマジックにかかってカカオにすべてを捧げる人を私は何人も見てきました。そのうちのひとりです。
味わいは一言で言えばオリジナリティーの塊です。おいしくないことを個性的な味って、ごまかしたりしてるのを時々見ますが、そういう類のオリジナリティーではないです。カカオのよさを知り尽くして、その先にカカオと一緒に行こうとしてるオリジナリティーです。しかし、今私たちが知ってるカカオの新しい流れは、ほぼヨーロッパスタイルなんです。滑らかでやさしいヨーロッパのチョコがチョコの味の未来のように思っていますが。こういう方向の進化もあるのだと、改めてアメリカ人のものづくりの面白さを感じました。ダイナミックに先に行っちゃいますね。私たちの発想だと修行して修行して小さな進歩を作り上げるものですが、先に理想が勝ってる感じがします。
ではいったいどんな味かというと、完成度がすごい。カカオのちょっとエスニックな世界を味で表現しきってます。

心に響く味です。そして、記憶に残る味です。

ダンシングライオン　ハイクバー
メキシコ文明らしくスパイスも使ったものもありますが、強すぎない。そしてカカオを邪魔しない。絶妙ストロング。数々のチョコを食べつくす撮影スタッフがみんなこれがおいしいというのです。そして、すごいなと思うのはそのセンスです。板チョコの表面を見てください。うっとりするようなチョコのレリーフ。これは。オリジナルの型です。やりますね……もう、板チョコがどれもうつくしすぎて、選ぶのに苦労したんです。箱の作りも手づくりで世界観を追求しきってますね。しかしね。ここまでほめておいてなんなんですが。あまり買わないで欲しい。いや、ほんとに困ります。めっちゃ小さい店で、うちのキッチンのようなところで作っています。数粒ずつくらい。おそらく、大量に作ったことがないとまず思う。パッケージも懲りすぎよ。チョコ型だって、あんな複雑なオリジナル型見たことないから。数えるほどしか持ってないと思う。だってそんなにお客さんふだん来ないよ。ここ。ということで、ご協力お願いします。

今回はできましたらほかをお買い求めください。ほかにもいいチョコいっぱいあります。